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『薔薇族』は希望の星!

「ロードショー好きの俺と彼(ノンケ)は、月に2度ぐらい東京有楽町に出かけました。
食事をしてしゃれた喫茶店でカプチノを飲み、映画のこと、彼女のこと(俺は男も女も好き)で話はつきませんでした。
でも、彼は漫画好き。
帰りの電車で読むからといって、上野で降りました。
「俺、あまり漫画好きじゃないから、外で待っているよ」
と言ったものの、彼がなかなか出てこないのだ。
漫画というよりセックス小説がずらりと並んでいて、何よりも目にはいったのが
「『薔薇族』本日発売」
という文字でした。
『薔薇族』
どこかで聞いたことがあるなと思いながら、細い通路を探っていきました。
彼はセックス小説に夢中でした。
他の人も堂々と立ち読みをしていました。
ようやく探しあてた本の内容は、わかりませんでした。
周りがセロハンで包装されていて、中がのぞけないのです。
しかし、表紙ですぐにわかりました。
俺は思わず心の中で喜びました。
ついに見つけたのです。
今、俺は28歳。
ひとり悩んできました。
そのセロハンを破って、今すぐその中身を見たかったのです。
友だちがすぐそばにいます。
来週、ひとりでこようと思いました。
その一週間は、一年も二年もかかったような気がしました。
その日を待ち望んで、店へ入ったとたん、足と手が思うように動きませんでした。
しかたがなく新宿で映画を見て、再び上野のB書店に行きました。
急いで金を払い、逃げるようにして常磐線に乗りました。
だいぶ夜も更けてきました。
幸せでした。
一文字も残さず読みました。
わからない意味もありました。
地方に住み、ひとりで悩んでいた俺に『薔薇族』は、希望を与えてくれました。
(茨城県・奥手な薔薇族)」



今は閉店してしまったけれど、上野の駅前の文省堂書店で、初めて買ったのだろう。
気むずかしい店長だったけれど、気心も通じるようになってきて、よくしてくれた。
ぼくにとっても忘れられない本屋さんだった。

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プロフィール

伊藤文學

Author:伊藤文學
日本初の同性愛者向け雑誌『薔薇族』を創刊した編集長。
薔薇族は廃刊となったが、販売を手掛けるラブオイルは今でも売れ行き好調。
出演作品がネットで話題となり、いつしか“ラブオイル校長”の名でも親しまれるようになった。ありがたいことです。
管理運営:FMC's©伊藤文學

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